訪日観光客の動向

外国人に人気の観光スポットと外国人観光客が増え続けている理由

考える女性
観光スポットとして訪日観光客が地方都市に増え続けているのをご存知でしょうか?2016年に約2400万人以上の外国人が日本に訪日して、訪日客数は2010年の約2.7倍となりました。右肩上がりに成長する訪日観光客に人気のスポットと観光客増加の理由と今後の展開を紹介していきます。

今後は地方への訪問客が増加傾向?

訪日観光客に人気の周遊ルート

「ゴールデンルート」とよばれる、主要観光地をめぐる訪日観光客に人気の周遊ルートは 東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪などですが、ホテルなど旅行に関する口コミ、価格比較を中心として世界最大の閲覧数を誇る旅行情報サイト「トリップアドバイザー」が発表した2016年外国人に人気の日本の観光スポットによると
1位 伏見稲荷大社 (京都府京都市)
2位 広島平和記念資料館(原爆ドーム、広島平和記念公園) (広島県広島市)
3位 宮島(厳島) (広島県廿日市市)
4位 東大寺 (奈良県奈良市)
5位 サムライ剣舞シアター (京都府京都市)
6位 新宿御苑 (東京都新宿区)
7位 奈良公園 (奈良県奈良市)
8位 鹿苑寺(金閣寺) (京都府京都市)
9位 アキバフクロウ (東京都千代田区)
10位 清水寺 (京都府京都市)
11位 箱根彫刻の森美術館 (神奈川県箱根町)
12位 高野山 奥之院 (和歌山県高野町)
13位 禅林寺 永観堂 (京都府京都市)
14位 三十三間堂 (京都府京都市)
15位 栗林公園 (香川県高松市)
16位 白谷雲水峡 (鹿児島県屋久島町)
17位 成田山 新勝寺 (千葉県成田市)
18位 浅草 (東京都台東区)
19位 大本山 大聖院 (広島県廿日市市)
20位 兼六園 (石川県金沢市)
上位20位中、西日本が15件、東日本が5件。ゴールデンルートからは少し外れた「広島」「和歌山」」「石川」、九州四国エリアからは「香川」「鹿児島」がランクイン。上位5位に絞るとすべてが関西圏となりました。東京都内で生活しているとここ数年での外国人旅行者の増加を日々肌で感じていますが、意外にもランキングは関西圏の圧勝となりました。

地方都市に外国人観光客が増えている理由

関西地方が人気な理由の背景はいくつかあります。順に紹介していきます。

LCCの就航が地方空港に

ここ数年での訪日観光客増加の要因として、LCCの就航が増えそれに伴い地方空港への国際線就航のも飛躍的に増えました。 一般航空会社にしてもスペースやコストの問題から発着枠を確保しづらい羽田、成田に代わって関空の台頭は著しく、日本の空の玄関イコール成田は成り立たなくなってきました。 さらに東南アジア、特に中国からは主に西日本との航路が多い定期船や博多港を中心とする豪華クルーズ船の寄港が増加し、トリップアドバイザーが発表した2016年外国人に人気の観光スポットランキングからも、訪日観光客にとって日本の玄関は東京だけじゃない、ということが垣間見えてきます。

個人観光ビザの緩和も要因

インバウンド事業を国が後押ししていることもあり、年々ビザ(査証)発給要件の緩和が進んでいます。団体旅行のツアーに申し込まないと入国できなかった観光客がビザ申請から宿泊、交通の手配を個人で行い、国内旅行ができるようになりました。個人旅行者が増えると魅力的な場所をネットの口コミやブログ情報、日本を旅行したことのある友達の経験を頼りに団体ツアーで巡るメジャー観光地ではないどこかへ向かう傾向は今後一層増えていくと見込まれます。 また、宿泊、交通の手配は個人で行い種類豊富な日本の旅行代理店が主催する国内ツアーに申し込む旅行者の増加も旅行者の行動範囲が広がる要因となりそうです。

スマホの普及とリピーターの増加

月日の経過ととともに、リピーターも増え続けています。一度目の訪問では東京、京都、大阪など有名観光地とショッピングを楽しみ、2度目の訪問ではもう少し地方へ足を延ばす旅行客が増えていくと見込まれています。インターネットの普及により出国前に様々な情報を調べられる環境もマイナーな地方都市への観光を容易にしています。

日本らしさが重要

訪日観光客の目に地方都市の「古き良き日本の風景」に魅力を感じるのは、日本人が海外観光に求める「その国らしさ」や「伝統」「文化」「田舎の素朴な人々の暮らし」に魅力を感じるのと同じことで、田舎の暮らしは団体観光ツアーで訪問することはなくても、個人旅行者の増加とともに日本中の地方都市へ足を延ばす訪日観光客は年々増えていくでしょう。

限界集落を訪れる外国人観光客が増えている

過疎化による人口減少が進み、限界集落の数も多い徳島県三好市の祖谷地区は四国の山間部に位置し、美しい渓谷美で知られています。急峻な山肌に点在する民家と谷底に流れる祖谷川の景色は、標高こそ違えど風の谷と呼ばれ桃源郷と例えられるパキスタン北西部のフンザを彷彿とさせます。交通の便が悪いがゆえにグローバライゼーションの波に飲み込まれず懐かしい里山の風景が残っています。さらに一人の外国人の存在が祖谷地区をさらに魅力的な場所へと成長させました。
東洋文化研究者のアメリカ人アレックス・カーさんは囲炉裏のある藁ぶき屋根の古民家と昔ながらの生活を送る里山の風景と人々に魅了され、この地で里山の美しさや伝統を残していきたいという気持ちから古民家再生プロジェクトを開始しました。その活動は日本の古き良き魅力を体感したい旅行者に知られるようになり、2015年には約1万人の外国人観光客が祖谷地区を訪問しました。その数は過去5年で約5倍にも増加しました。
人口の半数以上が65歳以上の祖谷地区では、外国人旅行客の増加に伴い地域のお年寄りが進んで英語の勉強をするようになりました。オリジナリティを持った地方都市が訪日観光客を魅了する事例です。

まとめ

旅行者にとってそこに暮らす地元民とのコミュニケーションが忘れられない旅の思い出になるといえます。Airbnbや中国版Airbnbの自在客(Zizaike)を利用する個人観光客が増え続けているのもうなづけます。大都市圏にありがちな他人に興味がない、クール、と言われる東京では便利さを享受してショッピングを楽しみ、地方へ足を運んで日本の文化、伝統、人々の暮らしを体感できる旅行スタイルが増えていくのではないでしょうか。

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インバウンドラボ編集部
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訪日外国人観光客向けに関するお役立ち情報などを総合的に紹介しています。マーケティング施策を考える時に参考になれば幸いです。